フィード出力の種類

Cuerda-Feed-total は、配信先ごとの仕様に合わせて複数のかたちでフィードを出力します。 大きく分けると、Yahoo!ニュース向けに FTP で送信する XML 配信と、その他の配信先が HTTP で取得する RSS 配信の二つの方式があります。 ここでは、それぞれの役割と違いについて、XML の中身には踏み込まずに概要だけを整理します。

Yahoo!ニュース向け:FTP による XML 配信

Yahoo!ニュース向けの配信では、Cuerda-Feed-total が Yahoo!ニュースの配信仕様に準拠した XML ファイルを生成し、それを指定された FTP サーバーへ送信します。 この方式では、メディア側から能動的にファイルを送り出す「プッシュ型」の配信が行われます。

WordPress 上で対象となる記事が公開・更新されると、プラグインは所定のタイミングで XML を生成し、あらかじめ設定された FTP アカウント情報を用いてサーバーに接続します。 そのうえで、配信仕様で定められたディレクトリ構成とファイル名のルールに従って XML を配置し、Yahoo!ニュース側の取り込み処理に引き渡します。

この方式を採用することで、メディア側は配信のタイミングや送信の成否を自ら確認しやすくなり、配信ログや検証用サーバーといった運用上の仕組みも、FTP を起点に設計することができます。 Cuerda-Feed-total は、こうした運用前提に合わせて、XML の生成と FTP 送信を一連の処理として提供します。

その他の配信先向け:HTTP で取得される RSS 配信

Yahoo!ニュース以外の配信先向けには、各社の配信仕様に準拠した RSS を、HTTP 経由で取得できるかたちで生成します。 こちらは、配信先側が定期的に WordPress サイトへアクセスし、フィードを取得する「プル型」の配信方式です。

配信設定画面で「SmartNews」「LINE NEWS」「dmenuニュース」「Gunosy」などの配信先を有効にすると、それぞれの配信仕様に沿った RSS が有効化され、専用のフィード URL から HTTP の GET リクエストで取得できるようになります。 配信先のクローラーは、この URL に一定間隔でアクセスし、新着記事や更新情報を収集します。

Cuerda-Feed-total は、各配信先ごとに求められる要素や拡張タグの違いを内部で吸収しつつ、WordPress 側から見ると同じ「RSS フィード」として扱えるように整理しています。 そのため、メディア側の運用担当者は、配信先ごとの仕様の差異をすべて把握していなくとも、管理画面の設定に従って配信先を選択することで、適切な形式のフィードを用意することができます。

二つの方式をまとめて扱うための設計

このように、Cuerda-Feed-total が扱うフィードは、Yahoo!ニュース向けの FTP 配信と、その他の配信先向けの HTTP 配信という二つの経路を持っています。 前者はファイルとして XML を送り出す方式、後者は URL を通じて RSS を提供する方式ですが、いずれも「配信仕様に忠実であること」と「運用の見通しのよさ」を共通の柱としています。

プラグイン内部では、どちらの方式も同じ記事データベースと共通の設定情報を基盤としており、配信先ごとの違いは主として「どのタイミングで」「どの経路で」相手先に渡すか、というレイヤーで整理されています。 これにより、メディア運営側は一つの WordPress サイトから、複数の配信先に対して一貫したルールでコンテンツを届けることができます。

XML や RSS の具体的な中身、要素ごとの出力ルールについては、別のページで詳しくご説明します。 ここではまず、Cuerda-Feed-total が担う配信経路が二種類あり、それぞれが配信先の仕様と運用の事情に即して設計されていることをご理解いただければ十分です。

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